カラフルな果実、その名はパプリカ。
ナス科の多年草で、香辛料としても親しまれるこの食材に迫ってみましょう。
コロンブスによってヨーロッパにもたらされ、ハンガリーからスペインまで広がるその歴史や栄養価、そして様々な国で広がる使い方。
パプリカの知られざる一面を垣間見ながら、料理の新たな可能性を追求していきましょう。
【要約】
- パプリカの多様な品種と歴史的な由来
- 栄養価:ビタミンC、E、抗酸化作用の豊富な特性
- 利用法:ハンガリーやスペイン料理での重要性、健康志向やビジュアルにおすすめ
パプリカとは?
パプリカは、ナス科の多年草で、トウガラシ属の栽培品種の一つです。
また、その品種を原料とした香辛料も同名です。
日本では、辛みがなくて肉厚で甘いCapsicum annuum 'grossum'の品種が一般的で、赤色や黄色、橙色の果実が主流ですが、紫色や茶色の品種も存在します。
このパプリカは、コロンブスによってヨーロッパにもたらされました。
ハンガリーでは、唐辛子全般を指すクロアチア語由来の「パプリカ」が、この果実から作られる香辛料に転用され、日本では品種や果実、香辛料全般を指す統一的な呼称となっています。
イタリアには、シチリア島北西部の都市パレルモにちなんで名付けられた大型のトウガラシのようなパプリカがあります。
これは約20センチメートルの細長い形状で、赤く熟して肉厚で甘みがあります。
パプリカの栄養素
パプリカの実際の栄養価は、栽培条件、生育環境、収穫時期、品種によって異なります。
したがって、以下に記載する値は代表的なものであることに留意してください。
パプリカはビタミンC、ビタミンE、食物繊維が豊富に含まれており、特に緑色のピーマンに比べてビタミンCは約2倍、β-カロテンは約3倍もの含有量があります。
赤色パプリカの主要な色素成分であるカプサンチンは、強力な抗酸化作用を有し、身体を活性酸素の害から保護するとされています。
一方で、辛み成分であるカプサイシンは同じトウガラシ類に含まれていますが、パプリカには含まれず、その代わりに辛みをもたない特徴的なトウガラシ品種として栽培されています。
原産地は熱帯アメリカで、唐辛子の辛み成分であるカプサイシンが劣性遺伝子のため、パプリカはピーマンやシシトウガラシと同様に果実に辛みを持たないトウガラシの栽培品種です。
パプリカは肉厚で、3–4室に分かれた美しいベル形を形成します。
果実は大型で肉厚、辛みがないかほとんどない特性を持ち、赤色、オレンジ色、黄色が主流ですが、白色、黒色、紫色も存在します。
果皮はやや硬い一方で、果肉は豊富な果汁を含み、肉厚で糖度が高い特徴を持っています。
この果実は加熱調理するだけでなく、生でも摂取できます。
栄養素の構成はピーマンに似ていますが、パプリカはビタミンPと呼ばれるビタミンCを ester 化しやすくする物質を含有しています。
これにより、加熱調理してもビタミンCが壊れにくく、その抗酸化作用が維持される効果があります。
パプリカの利用法
ハンガリーがパプリカの品種を育て、現在もその一大産地として著名です。
ハンガリー料理においては、シチュー料理の代表格であるグヤーシュをはじめとする数々の料理で欠かせない存在となっており、かつては国がパプリカの生産を保護するほどでした。
アメリカでは、カリフォルニア州とテキサス州が主な産地であり、他にもブルガリアやスペインも主要な生産国として挙げられます。
国内でも熊本県、茨城県、広島県、宮城県、山形県、山梨県、北海道などでの生産が増加しています。
日本への主要な輸入元は、韓国、オランダ、ニュージーランドなどで、近年は特に韓国産がオランダの種子や施設を導入して日本市場での存在感を増しています。
スペインでは、パプリカは広く使われており、特にソーセージに肉と混ぜる用途が一般的です。
スペイン料理では、加熱しないで他の食材と組み合わせるほか、スープや煮込みに使ったり、乾燥させて粉末状やペースト状に加工したりします。
パプリカの種類は、ピカンテ(辛口)とドゥルセ(辛くなく甘みのある)に大別されます。
香辛料としてのパプリカは、辛味のある粉末状の果肉を指し、これは日本で一般的な辛味のないタイプの野菜とは異なります。
味や風味は唐辛子に似ていますが、穏やかなため、大量に使用しても料理の味を損なわないとされています。
赤みを保つ特性を活かし、料理の彩りとしても利用されます。
スモークパプリカは燻煙してからパウダー状に加工され、スペインのLa Veraで生産されるピメントン デ ラ ベラは、保護原産地呼称で厳格に保護されています。
どんな人におすすめ?
パプリカは以下のような人におすすめです。
1:健康志向の人々におすすめ
パプリカはビタミンC、ビタミンE、食物繊維が豊富であり、抗酸化作用があります。
これは健康に気を使う人々に特におすすめです。
ビタミンPの含有もあり、加熱調理してもビタミンCが保たれるため、健康維持に寄与します。
2:辛味を嫌う方や辛さに敏感な方におすすめ
カプサイシンを含まないため、辛味を嫌う人や辛さに敏感な人に最適です。
その代わりに風味豊かな料理を楽しむことができます。
3:地元産の食材を好む人におすすめ
国内での生産が盛んであり、熊本県、茨城県、広島県、宮城県、山形県、山梨県、北海道などから手に入れることができます。
地元の食材を支持する人におすすめです。
4:料理好きな人々におすすめ
スペインやハンガリー料理で代表的な素材として使われ、多彩な料理に活用されます。
食のバリエーションを楽しみたい料理好きに最適です。
5:ビジュアル的な魅力を重視する人におすすめ
鮮やかな赤色を保ち、彩り豊かな料理に利用できるため、見た目にこだわる人におすすめです。
6:スモークフレーバーが好きな人におすすめ
スモークパプリカは燻煙してからパウダー状にしたもので、独特の風味があります。スモーキーな味わいが好きな人におすすめです。
7:La Veraのピメントン デ ラ ベラを探している人におすすめ
スペインのLa Veraで生産されるピメントン デ ラ ベラは保護原産地呼称で品質が保証されています。
高品質なパプリカを求める人におすすめです。
【まとめ】
- パプリカの多様な品種と歴史的な由来
- 栄養価:ビタミンC、E、抗酸化作用の豊富な特性
- 利用法:ハンガリーやスペイン料理での重要性、健康志向やビジュアルにおすすめ
パプリカは多彩な品種と歴史を持ち、ビタミンCや抗酸化作用で健康に貢献。
ハンガリーやスペイン料理で愛され、地元産から国際的な輸入まで幅広い存在。
料理好きやビジュアルに敏感な人におすすめ。
彩りと風味を楽しんで、健康をサポートする食材として活用しましょう。
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。