バジルはシソ科メボウキ属のハーブで、その独特の香りと多様な利用法で料理や文化に欠かせない存在です。
この多年草が起源とする熱帯アジアから、世界中で愛され、異なる文化や伝承に結びついてきました。
その香りはまさに「ハーブの王様」と呼ばれるにふさわしく、料理愛好者や歴史や文化に興味を持つ人々にとって、バジルは新しい味わいと知識をもたらします。
【要約】
- バジルはシソ科の多年草で、料理のアクセントや香りとして重宝される。
- 世界中で愛用され、イタリア料理やハーブ愛好者に特におすすめ。
- バジルの歴史や文化的背景、ダイエットへの利用も興味深い。
バジルとは?
バジル(学名: Ocimum basilicum)は、シソ科メボウキ属の多年草で、日本では一年草として扱われる。
このハーブはインドや熱帯アジアが原産で、和名はメボウキ(目箒)とも呼ばれます。
イタリア語ではBasilicoとしても知られ、リンネの『植物の種』(1753年)にも記載されています。
バジルはトマト料理に良く合い、胃腸の調子を整え、食欲を増進させる効果があります。
バジルの英語名とイタリア語名は、ギリシャ語の「王」を意味するβασιλεύς(バシレウス)に由来すると言われています。
別の説では、伝説上の怪物バジリスクにも関連しており、怪物の名前もギリシャ語に起源を持つとされています。
また、和名のメボウキは、種子が水分を吸収してゼリー状になり、目に入ったゴミを取るのに役立ったことから名付けられました。
バジルはアフリカとユーラシア大陸の熱帯地域に広く分布し、日本では一年生草本として育ちます。
約150種類の栽培品種があり、その中でも最もポピュラーなのがスイートバジル(O. basilicum)です。
バジルの香りの主成分にはメチルカビコール、リナロール、シネオール、オイゲノールが含まれ、低刺激性で生のまま食べることができます。
バジルはドライにしても利用され、カロテンやビタミンE、ミネラルも豊富です。
寒さに弱いため、植えつけは気温が十分に上がる5月が適しています。
一般的なスイートバジルは60 cmから90 cmの草丈となり、太い直根性の根を伸ばします。
主茎は直立し、よく分枝し、葉は5 - 6 cmの葉柄がついて対生します。
花穂は各枝の先につき、白色の唇形花が咲きます。果実は長球形で、黒色をしています。
バジルの歴史
16世紀にインドとマレーシアの熱帯アジアで起源し、ヨーロッパに紹介されたバジル。
アレキサンダー大王がインドからヨーロッパにもたらしたとされ、イギリスでは16世紀に、アメリカには17世紀に渡来した。
インドではホーリーバジルが、ヒンズー教の聖なるハーブとされ、クリシュナ神やヴィシュヌ神に捧げられる。
アーユルヴェーダ医学では「トゥルシ(Tulasi)」と呼ばれ、ジュースにも利用される。
また、ペルシャやエジプトでは墓に植える草とされた。
歴史的に有名なハーブであり、さまざまな儀礼や迷信に結びついていた。
昔のインドでは、葬儀の際に故人の横にバジルを供え、黄泉の国への安全な旅を願った。
中世ヨーロッパでは、サソリがバジルを好むと信じられ、バジルを吸い込むと頭にサソリが現れると考えられた。
江戸時代には中国から薬草として日本に導入され、文献には貝原益軒の『大和本草』(1709年)で「羅勒」として初めて登場。
しかし、普及には至らず、日本には主に乾燥品が輸入されていた。
2000年代以降は生葉も市場に流通し、イタリア料理などで利用されるようになった。
食用としてのバジルの利用
バジルは世界中で愛用される食用ハーブで、ヨーロッパからアフリカ、東南アジアまで広く栽培されています。
主に利用される品種はスイートバジルで、その香りは「ハーブの王様」とも称され、どんな料理にも良く合い、美味しさを引き立て、食欲を増進させます。
特にイタリアと南フランスでは香辛料野菜として重要視され、イタリア料理においては「バジリコ」の名で親しまれ、パスタ、ピッツァ、サラダ、ソースなどに広く活用されています。
新鮮な葉は7-8月が旬で、緑色が濃く張りのあるものが良品とされます。
バジルは特有の香りを持ち、加熱すると香りが飛びやすいため、料理の仕上げに使われることが一般的です。
肉、卵、トマトの料理に特によく用いられ、生葉やオイル漬け、ペースト、ドライ(乾燥葉)などさまざまな形態で利用されます。
日本では家庭用乾燥ハーブが「バジル」と呼ばれる一方で、産地や料理からイタリア語の呼称であるバジリコが使用されることもあります。
ジェノヴァ近辺で作られるペスト・ジェノヴェーゼは有名で、日本でもスパゲッティに和えたり、他の料理にかけて使われています。バジルの葉とモッツァレッラチーズ、トマトを組み合わせたサラダは「インサラータ・カプレーゼ(カプリ風サラダ)」として知られ、イタリアの国旗と同じ配色でイタリアを象徴するサラダです。
また、ナポリピッツァの一つであるマルゲリータも、ピザの生地にモッツァレッラ、トマト、バジルの葉をトッピングしたものであり、バジルの風味が特徴的です。
バジルの葉をビネガーに漬けると、赤紫色のバジルビネガーができます。
バジルの葉はやわらかいため、新鮮なうちに使い切ることが重要です。
金属を嫌うため、包丁ではなく手でちぎるように使用します。
保存する場合は、フレッシュ葉を湿らせたペーパータオルなどで包み、冷蔵保存するか、刻んだ葉を密閉できる保存容器に入れて冷凍保存します。
冷凍保存品を使用する際は、解凍せずに凍ったまま調理中に加えます。
バジルの葉を粉砕し、ニンニク、松の実、パルメザンチーズ、オリーブオイルと組み合わせたペスト・アッラ・ジェノヴェーゼは冷蔵保存でき、2-3週間の保存期間があります。
バジルの種子はグルコマンナンを多く含み、水に浸すとゲル化する性質があり、ダイエット補助食品としても利用されています。
東南アジアとアフガニスタンでは、水に浸した種子をデザートや飲み物に活用しています。
どんな人におすすめ?
バジルは料理愛好者やハーブの香りを楽しみたい人におすすめです。
独特の香りや豊富な歴史が、料理のアクセントとなります。
料理においてトマトとの相性が良く、特にイタリア料理に欠かせない存在。
スイートバジルの香りは「ハーブの王様」と称され、パスタ、ピッツァ、サラダ、ソースなど様々な料理に活用されています。
栽培も比較的容易で、家庭菜園やハーブガーデンに最適。
育てることで新鮮なバジルを手に入れ、料理にアクセントを加えられます。
バジルは生の葉だけでなく、ドライやオイル漬け、ペーストなどさまざまな形態で利用され、幅広い料理に組み合わせることができます。
また、バジルの歴史や文化的な要素に興味を持つ人にもおすすめ。
インドからヨーロッパへ広がり、宗教的な儀式や伝説にも関連しています。
バジルの持つ歴史的な背景は、ハーブに込められた意味や伝統を知りたい人に魅力的です。
ダイエットや健康に気を使う人にも一役買います。
バジルの種子はグルコマンナンを多く含み、水に浸すとゲル化する性質があり、ダイエット補助食品として利用されています。
東南アジアやアフガニスタンでは、水に浸した種子をデザートや飲み物に活用する文化もあります。
総じて、料理やハーブ、歴史や文化に興味を持ち、食を通じて新しい体験を楽しみたい人におすすめのハーブです。
【まとめ】
- バジルはシソ科の多年草で、料理のアクセントや香りとして重宝される。
- 世界中で愛用され、イタリア料理やハーブ愛好者に特におすすめ。
- バジルの歴史や文化的背景、ダイエットへの利用も興味深い。
バジルは料理に芳香とアクセントを加えるハーブ。
イタリア料理やハーブ愛好者に最適。その歴史や文化も魅力的。
栽培は簡単で、新鮮な葉を手に入れ、多彩な料理に活用できます。
バジルの種子はダイエットにも利用され、東南アジアの文化にも根付いています。
総じて、食やハーブ、歴史、文化に興味がある方に、新たな味わいと知識をもたらす素晴らしい選択です。
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。