風味豊かなハーブ、パセリ。
その葉が縮れているのは、自然界では不利な形質でありながら、私たちの料理の世界では華やかなデコレーションとなります。
南イタリアとアルジェリアからの旅で育まれ、古代ローマ時代から調理の現場で愛されてきたこの緑の宝石には、驚くべき歴史と多彩な健康効果が秘められています。
一方で、オランダゼリとして日本に初めて舞い降り、明治初年から栽培が始まったその足跡も見逃せません。
この記事では、パセリの根源から香り高い葉の魅力、冬の旬の美味しさ、そして驚くべき栄養価までを探求します。
料理の愛好者から、健康を大切にする方々まで、幅広い層に贈るパセリの素晴らしさに触れながら、食卓に新しい風を運ぶ一歩を踏み出してみませんか。
【要約】
- パセリは南イタリア原産で、料理の愛好者や健康志向者に向けた多彩な魅力を持つ。
- 冬の旬で、縮れた葉が一般的。ヨーロッパではイタリアンパセリが主流。
- 豊富な栄養素、料理への使い道、保存方法に注目。パセリの幅広い用途を紹介。
パセリはどんなハーブ?
パセリは、セリ科に属する二年草で、食用として広く利用されています。
南イタリアとアルジェリアが原産地であり、古代ローマ時代から料理に使用され、世界で最もポピュラーなハーブの一つです。
その適応性と栽培の容易さから、世界中で広く栽培されていますが、乾燥には弱い特性があります。
葉が縮れているものは人為的な品種改良によるものであり、自然界では不利な形質です。
18世紀末にオランダ人によって日本に初めて持ち込まれ、長崎で栽培されたことから「オランダゼリ」や「洋ゼリ」と呼ばれていました。
日本での本格的な栽培は明治初年以降に始まりました。
食用としてのパセリの利用方法
パセリは冬(1 - 2月)が旬で、濃緑の葉とみずみずしさが良品とされます。
日本では縮れた葉のパセリが一般的ですが、ヨーロッパでは縮れていないイタリアンパセリが主流で、香りや苦味が少ない特徴があります。
日本では料理の付け合わせやデコレーションとして使われるほか、直接食用としたり、香りづけやにおい消し、飲用など多岐にわたる用途があります。
精油成分を多く含み、油分の中和に役立つとされるが、分解されずにそのまま吸収されます。
ヨーロッパでは根パセリも広く流通し、ニンジンに似た外観で爽やかな風味があり、ユダヤ料理で人気です。
栄養価は極めて高く、可食部100グラムあたりにはβ-カロテン(ビタミンAのもと)が5054μg、ビタミンCが133mg、カルシウムが554mg、鉄が6.2mg含まれています。
また、ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンB群、マグネシウム、食物繊維、葉緑素、カリウムも豊富に含まれ、他の緑黄色野菜を上回る栄養素濃度です。
香りの主成分であるアピオールは食欲増進と口臭予防の効果があり、防腐効果もあるため、食中毒予防に役立ちます。
保存方法としては、湿らせたペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて冷蔵保存するか、刻んで保存袋に入れて冷凍することが勧められています。
パセリの効果効能
生のパセリの葉や青汁は、消化不良や食欲不振の健胃に効果的であり、病後の疲労回復、貧血、生理不順などにも良いとされています。
青汁を摂る際には、生葉を1日30グラム、水100 cc程度とレモン汁やハチミツなどを加えてジュースにして飲むと良いとされています。
豊富な鉄分を含んでいるため、貧血対策にも効果が期待できます。
また、民間療法では、打ち身、くじき、虫刺されに生葉をすりつぶし、患部に乗せてガーゼなどで冷湿布することが効果的とされています。
一方で、アピオールを多く含むため、中世では堕胎薬の原料とされました。
ただし、通常の摂取量では問題ありませんが、過剰摂取や精油の摂取は危険であり、特に妊娠中や授乳中の女性は避けるべきとされています。
ドイツ保健省のコミッションEでは、パセリの根が腎臓結石の治療作用があると承認しています。
米国ではGRAS(一般に安全と見なされた物質)に認定されています。
パセリの精油や種子には独特の香りがあり、アピオールやミリスチシンなどの成分が含まれています。
精油の経口摂取は医学的に危険であり、流産や腎障害、不整脈を引き起こす可能性があります。
ミリスチシンの過剰摂取はめまい、難聴、幻覚、低血圧、徐脈、錯乱、肝障害や腎障害を引き起こす可能性があります。
授乳中は摂取を避け、種子の抽出液を皮膚に塗ることも光線過敏性の皮膚炎を引き起こす危険性があります。
種子には堕胎作用や子宮および月経刺激作用があることも知られています。
どんな人におすすめ?
パセリは、以下のような方々におすすめです。
1:料理愛好者におすすめ
料理においてアクセントやデコレーションとして利用でき、香りや風味が料理に深みを加えます。
2:健康志向の人におすすめ
豊富な栄養成分が含まれ、特にβ-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄などが他の緑黄色野菜よりも高濃度で摂取できます。
貧血対策や食欲増進、口臭予防にも効果が期待されます。
3:自然療法を好む人におすすめ
生のパセリ葉や青汁は消化不良や食欲不振に対して効果があり、傷や虫刺されにも利用されます。
4:料理や食材に興味が薄い人におすすめ
汎用性が高く、少量から取り入れやすい特長があります。新しい味覚を試すのに適しています。
【まとめ】
- パセリは南イタリア原産で、料理の愛好者や健康志向者に向けた多彩な魅力を持つ。
- 冬の旬で、縮れた葉が一般的。ヨーロッパではイタリアンパセリが主流。
- 豊富な栄養素、料理への使い道、保存方法に注目。パセリの幅広い用途を紹介。
パセリは食卓に新しい風を運ぶハーブであり、料理の魅力を引き立てるだけでなく、豊富な栄養価も提供します。
冬の旬を迎え、縮れた葉が特徴的ながら、ヨーロッパでは異なるバリエーションも楽しまれています。
健康志向者にとっては、貧血対策や消化不良への効果も期待できます。
パセリの保存方法や効能を知り、料理愛好者から料理に興味が薄い人まで、幅広い層におすすめのハーブとして、食卓に彩りと健康をもたらします。
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。