テピン・チリ(Tepin Pepper)は、小さながらもその辛さと独特な風味で、南西部の料理に欠かせない存在です。
その小さなサイズからは想像できないほどのパンチがあり、料理に特別な一手を加えます。
本記事では、テピン・チリの魅力に迫りながら、その起源や利用方法、栄養価などについて詳しく探ってみましょう。
【要約】
- テピン・チリ:南西部の辛い味の象徴
- 小さながらも強烈な風味と辛さ
- 約10万スコヴィルの辛さを誇る
テピン・チリ(Tepin Pepper)とは?
テピン・チリは、直径が1センチ未満の小さなさやを持ち、丸から楕円形の形をしています。
皮は光沢があり、滑らかで弾力があります。
緑から赤、一部では黒に近い濃い色に変わり、成熟すると真っ赤になります。
果肉はパリッとしており、フルーティーな香りがあります。
明るく、ほのかにピリッとした、柑橘類を思わせるスモーキーな風味があり、辛さはすぐに消えます。
食用や観賞用に使われ、庭や植え込みにも美しく映えます。
鳥が好んで食べるため、「バード・ペッパー」とも呼ばれます。
テピン・ペッパーは、乾燥させて砕いてスープやシチューの味付けに使われることが一般的です。
どのくらいの辛さ?
テピン・チリペッパーは、秋にアメリカ南西部とメキシコ北部で新鮮な状態で手に入ります。
この小さながらも強烈に辛い唐辛子は、植物学的にはCapsicum annuumに分類され、ナス科に属しています。
北アメリカ原産で、現存する中でも最も古い品種のひとつです。スコヴィル・スケールで50,000~100,000SHUの辛さを誇ります。
"テピン"という名前は、メキシコのナワトル語で「ノミ」を意味し、トウガラシの小ささに由来します。
また、商業栽培はされておらず、自然または家庭菜園で見かけることができます。
テキサス州では1997年に公式の「在来トウガラシ」として認定され、南西部の料理文化に根付き、ソノラン料理やテックス・メックス料理のシンボルとなっています。
どんな料理に使われる?
栄養面では、テピン・チリペッパーはビタミンA、C、K、β-カロテン、カリウムが豊富で、鉄分、マグネシウム、カプサイシンも含まれています。
カプサイシンは、脳が熱さや辛さを感じるきっかけとなる化合物で、抗炎症作用もあります。
伝統的な土着医療では痛みを和らげるために使用されてきました。
料理の用途としては、若い青い状態ではピリッとした辛味のビネガーを作るのに使えますが、一般的には成熟した状態で利用されます。
サヤを天日で乾燥させて長期間保存し、乾燥させた後は粉やフレークに挽いて、スープやシチュー、チリ、卵料理などにスパイシーな味付けとして使います。
また、アイスクリームや肉の保存料、ソースやマリネ、ドライラブに混ぜたり、調味料やピリッと辛いソースに加工することもできます。
メキシコのセビーチェやアメリカ南部のテクス・メクス料理の風味付けにもよく利用されます。
生息地域
アメリカ南西部とメキシコ北部に自生するテピン・チリペッパーは、古くから存在しています。
しかし、天候の変化や生息地の破壊により、その数は減少しました。
現在、アメリカ国内で自生している場所はわずか15箇所ほどで、主にアリゾナ州の保護された国立公園内に見られます。
メキシコのソノラ州でも見られ、野生で収穫され地元の市場で販売されています。
また、テキサスやアリゾナ、メキシコの家庭菜園でも栽培が成功しています。
どんな人におすすめ?
テピン・チリは、辛い味が好きな人や料理好きの方におすすめです。
特に、スープやシチュー、チリ、卵料理などの料理にスパイシーな味付けを加えたい場合に活用できます。
また、伝統的な土着医療では痛みを和らげるためにも使用されています。
【まとめ】
- テピン・チリ:南西部の辛い味の象徴
- 小さながらも強烈な風味と辛さ
- 約10万スコヴィルの辛さを誇る
テピン・チリは、小さながらもその辛さと独特な風味で料理に深みを与える素晴らしい食材です。
南西部やメキシコの伝統的な料理に欠かせない存在であり、栄養価も豊富です。
また、伝統的な土着医療でも痛みを和らげるために利用されています。
その小さなサイズからは想像できないほどのパンチがあり、食卓を彩る魅力的な食材です。
自家菜園での栽培も可能であり、料理好きなら一度試してみる価値があります。
是非、テピン・チリを使った料理や調味料を楽しんでみてください。
【脚注】
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。