辛さの極み、その名はブートジョロキア。
北インドとバングラデシュの大地で生まれ、辛さの頂点を極めたこの唐辛子に迫る旅に出かけましょう。
ギネス世界記録に輝いた瞬間から、キャロライナ・リーパー、ドラゴンズ・ブレスを経て、今やペッパーXがその座を揺るがせています。
一粒の唐辛子が持つ歴史と辛さの数々、そしてその料理への馴染み方に迫ります。
果たして、辛さの王者の座に輝くのはどの唐辛子なのでしょうか。
【要約】
- ギネス記録:2007年、最も辛い唐辛子として認定(ハバネロ抜き)。
- 気候影響:成長地により辛さ変動、アッサム州より気温・湿度が影響。
- 料理利用:ピクルス、ペッパーソース、国際料理で使われるが、使いすぎに注意。
ブートジョロキア とは?
北インド(アッサム州、ナガランド州、マニプル州)およびバングラデシュで生育するトウガラシ属の品種です。
2007年に、ギネス世界記録においてハバネロ(およびその栽培品種であるレッドサヴィナ)を抜いて、世界で最も辛いトウガラシとして認定されました。
ただし、非公式にはドラゴンズ・ブレスに抜かれ、現在はペッパーXが最も辛いトウガラシとされています。
原産地のアッサム語では、「জলকীয়া(ジョロキア)」が唐辛子の実を指し、「ভোট-জলকীয়া(ブット・ジョロキアまたはボット・ジョロキア)」は「チベット唐辛子」を意味します。
また、「ভোট(ブットまたはボット)」とアッサム語では、発音に母音の違いがありますが、同じくアルファベットで表記される「ভূত(ブットまたはブート)」は「幽霊」を指し、英語では「ghost chili」または「ghost pepper」とも呼ばれることがあります。
日本語では、「ブート・ジョロキア」または「ブット・ジョロキア」と呼ばれる際にも、この意味が関連付けられることがあります。
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ブートジョロキアの辛さ(スコヴィル値)
2005年、ポール・ボスランド (Paul Bosland) 名誉教授は、ニューメキシコ州南部・ラスクルーセス近郊で育てた唐辛子からHPLCで1,001,304SHUを記録しました。
この成果はニューメキシコ州立大学のトウガラシ研究所で達成されました。
その後、2007年2月にはこの唐辛子が世界一辛いとしてギネス世界記録に認定されました。
しかし、2012年には「キャロライナ・リーパー」と呼ばれる更に辛い唐辛子が登場し、平均1,569,300 スコヴィルを計測しました。
さらに、2017年にはイギリスで開発された「ドラゴンズ・ブレス」が248万スコヴィルで最も辛い唐辛子とされました。
そして、その数ヶ月後、ペッパーXが318万スコヴィルを記録し、世界一辛いトウガラシとなりました。
ブート・ジョロキアの辛さは、気候条件によっても大きく影響されます。
アッサム州テズプルとマディヤ・プラデーシュ州グワーリヤルで育てたものを比較すると、気温は同程度でも乾燥した気候の後者ではカプサイシン含有量が半分以下でした。
このように、気候が唐辛子の辛さに影響を与えることがわかります。
なお、ジョロキアを取り扱う際は、素手で触れないようにゴム手袋などを着用し、触った後に絶対に目をこすらないように注意が必要です。
どんな料理に使われる?
ジョロキア(ブット・ジョロキアまたはボット・ジョロキアを含む)は、非常に辛い唐辛子であり、多くの料理に使われますが、注意が必要です。
一般的な用途には以下のようなものがあります。
1:辛味料としての使用
ジョロキアは、料理に辛味を加えるために使われます。
ごく少量でも強力な辛さを提供するため、料理に独特の辛味をもたらします。
カレーやシチュー、ソース、調味料に加えることがあります。
2:ペッパーソース
ジョロキアはペッパーソースの材料としてよく使用されます。
特に辛さを愛する人々に向けて、極辛のペッパーソースが作られます。
3:ピクルス
一部の料理では、ジョロキアをピクルスとして漬け込みます。
これにより、辛さが保たれつつ風味が引き立ちます。
4:調味料
一部の調味料やスパイスブレンドにもジョロキアが使用され、料理に独特の辛さをもたらします。
たとえば、カレー粉や調味料ミックスに混ぜられることがあります。
5:料理への追加
ジョロキアは、特にメキシコ料理やインド料理、タイ料理など、辛味が求められる多くの国際的な料理に追加されます。
ただし、辛味を調整する際には非常に注意が必要で、過剰に使用すると料理が非常に辛くなるため、控えめに使用することが重要です。
注意点として、ジョロキアは非常に辛いため、調理や取り扱いの際には手袋を着用し、目や皮膚に触れないように注意することが重要です。
【まとめ】
- ギネス記録:2007年、最も辛い唐辛子として認定(ハバネロ抜き)。
- 気候影響:成長地により辛さ変動、アッサム州より気温・湿度が影響。
- 料理利用:ピクルス、ペッパーソース、国際料理で使われるが、使いすぎに注意。
ブートジョロキアは辛さの頂点。
ギネス記録、気候影響、多彩な料理利用が魅力。
辛さへの挑戦と料理への一石を投じ、その独特の風味は世界中で求められる。
だが、その辛さには注意が必要。
料理の脇役から主役まで、使い方次第で新たな舌の冒険が広がる。
冷静な手つきで取り扱い、調和を求めながらブートジョロキアの世界を楽しもう。
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