激辛料理を食べた時に、汁などが目に入ってヒリヒリ痛くなった経験はないでしょうか?
あれは、唐辛子に含まれる辛味成分『カプサイシン』の作用で痛くなるのです。
今回は、その『カプサイシン』の実体について解説していきたいと思います。
【要約】
- 脂肪分に溶けやすい性質がある
- 水には溶けにくい
- 大量摂取で死に至るケースも
カプサイシンって何?
唐辛子の辛味をもたらす主成分で、辛味の指標であるスコヴィル値における基準物質です。
化合物名はトウガラシ属の学名Capsicum に由来します。
脂肪分に溶けやすい性質で無色の結晶で、アルコールには溶けやすいが冷水にはほとんど溶けません。
摂取すると神経を刺激し、温度は実際には上昇しないものの激しい灼熱感をひきおこします。
この働きは、メンソールによる冷刺激と同様と言われています。
また、痛覚神経を刺激し、局所刺激作用あるいは辛味を感じさせ、体内に吸収されたカプサイシンは、脳に運ばれて内臓感覚神経に働き、副腎のアドレナリンの分泌を活発にさせ、発汗及び強心作用を促します。
ワサビ、カラシの辛み成分アリルイソチオシアネートとは風味が異なります。
カプサイシンの受容体を持つのは哺乳類や昆虫であり、これらはカプサイシンを含むトウガラシを食べるのを避けるが、鳥類の受容体にはカプサイシンが反応しないため、鳥類はトウガラシを辛いとは感じず食べることができます。
さらに食べ物を咀嚼する哺乳類に対し、鳥類は食べ物を丸のみにするため、種が潰されない鳥類に食べられるほうが種の生存率が上がると考えられております。
ドイツ人薬理学者によると、粘膜に接触すると焼けるような感覚を引き起こし、胃液の分泌を増加させる特徴があると言われています。
催涙スプレーの成分にされ、対人、対獣の防御用などに用いられ、浴びると皮膚や粘膜がひりひりとした痛みを感じたり、咳や涙が止まらなくなったりします。
また、カプサイシンの含有量を表した数値は『スコヴィル値』と呼ばれています。
カプサイシンを大量に摂取したらどうなる?
マウスの実験の結果、口から摂取した場合には体重1kgに対して47.2mgが致死量になり、皮膚になると512mgになります。
例を上げますと、60kgの体重の人が2,832mg(約2.8kg)の量のカプサイシンを摂取すると、致死量に至る計算になります。
また、唐辛子の大食いに挑んだ男性が、カプサイシンの作用で可逆性の脳血管攣縮を起こして倒れた事例が報告されています。
カプサイシンは、唐辛子に含まれる成分ですので、私たちの身近にあるものですので、その効果や危険性を理解しておくのは大切なことです。
こういったことを理解して、激辛料理を楽しみたいものです。
【まとめ】
- 脂肪分に溶けやすい性質がある
- 水には溶けにくい
- 大量摂取で死に至るケースも
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