南米のアンデス地域に根付く、辛味と風味の極みを体現する一品、それが「ロコト」です。
学名Capsicum pubescensとも呼ばれ、その姿は小さなピーマンに似た独特な形状をしています。
紫色の花を咲かせ、果実は赤や黄色に変化する一方で、その辛さは通常のハラペーニョを遙かに凌駕します。
この唐辛子には、トウガラシ属に属する他の植物には見られない特有の特徴があります。
茎や葉が柔らかい毛で覆われ、その姿勢はまるでアンデスの標高を感じさせるかのようです。
古代から栽培され、今もなお南米の伝統的な料理に欠かせない存在となっています。
ペルーとボリビアでは市場で生のものが色とりどりに陳列され、その辛さと風味を楽しむ人々の姿が見受けられます。
この記事では、ロコトの魅力に迫りつつ、その極めて辛い辛さを振り返り、どんな料理に使われているのか、そしてどんな人におすすめなのかを探っていきましょう。
【要約】
- 南米アンデス地域産、紫色の花、極辛の果実
- スコヴィル値最大25万、独自の風味
- 中南米料理に使われる
ロコト(rocoto)とは?
ロコト(学名:Capsicum pubescens)は、トウガラシ属に属する植物で、ナス科に分類されます。
これは、主に南米のアンデス地域で生育し、特有の唐辛子の一種です。
紫色の花を咲かせるこの植物は、小さなピーマンのような外見を持つ丸い形状の果実を結びます。
熟すると、これらの果実は赤や黄色に変化し、極めて辛い果肉を有しています。
特筆すべきは、黒い種子を持つことで、これがトウガラシ属の他の植物と異なる特徴です。
この植物は「毛が生えた」という名前を持ち、茎や葉が柔らかい毛で覆われています。
主にアンデスの山岳地帯で育ち、18 - 20度ほどの比較的乾燥した気候が適しています。
古くはインカ帝国以前から栽培されており、日本でも長野県で栽培が試みられています。
ペルーとボリビアを中心に、中南米の料理に広く使用されています。
果肉や時折種も使ってスープに加えたり、サルサの材料として利用されることがあります。
また、ファルスで詰めて「ロコト・レジェノ」と呼ばれる、肉詰めピーマンに似た料理もあります。
その独特の風味は、生のまま使用すると青臭さを感じさせます。
ペルーやボリビアでは、市場で生のものが豊富に販売されており、また粉末状にしたものも入手可能です。
これらの食材は、生のまま細かく切ったり、石臼で潰して調理に使用されます。
「ロコト」は一般的には "rocoto" と綴られますが、ボリビアとペルーの一部では "locoto" とも呼ばれます。
さらに、地域によっては「マンサノ(manzano)」、「カナリオ(canario、黄色く熟すタイプ)」、「カバジョ(caballo)」、「ペロン(peron)」などとも呼ばれています。
辛さ
ロコトペッパーは極めて辛い唐辛子で、スコヴル値は最大25万スコヴィルに達します。
ハラペーニョと比べると、最も辛いロコトは通常のハラペーニョの約50倍辛いことが分かります。
ロコトを使った料理
ロコトペッパーを使った料理は、ボリビアやペルーの伝統的な料理に欠かせません。
これらの唐辛子は、さやが厚いため適切に乾燥させるのが難しく、そのため新鮮な状態で利用されることがよくあります。
これらのピーマンは、ホットソースやスパイシーなサルサにアクセントを加えるために使用されるだけでなく、肉やチーズなどで詰めて焼いた料理としてもロコトスレレノスとして親しまれています。
どんな人におすすめ?
ロコトは非常に辛い唐辛子で、辛い食べ物を好む方や新しい風味を試したい冒険好きな食通におすすめです。
また、中南米の料理に興味がある人や、ボリビアやペルーの伝統的な料理を試してみたい人にもぴったりです。
ただし、辛さに敏感な方や辛いものが苦手な方は控えた方が良いかもしれません。
【まとめ】
- 南米アンデス地域産、紫色の花、極辛の果実
- スコヴィル値最大25万、独自の風味
- 中南米料理に使われる
ロコトは南米アンデス地域の宝。
独特の形状や辛味は料理に新たな風味をもたらす。
辛さと風味を楽しむ冒険者や中南米料理好きにおすすめ。
アンデスの風土が育むロコト、その独自の味覚をぜひ試してみてください。
挑戦者に新たな味覚体験をもたらす、まさに南米の宝石とも言える唐辛子です。
【脚注】
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。