
辛さの中で、一つの尺度が際立つ―ウィルバー・スコヴィルの名前。
アメリカ合衆国の薬剤師として生まれ、唐辛子の辛さを計測するスコヴィル値で名を馳せた彼の興味深い生涯を垣間見る旅に出かけましょう。
彼の足跡が刻んだ薬学の歴史と、辛さを測るその独自の方法に迫ります。
【要約】
- 唐辛子の辛さ測定者
- スコヴィル値の生みの親
- 薬剤師であり、Googleロゴにも登場
ウィルバー・スコヴィルってどんな人?

ウィルバー・リンカーン・スコヴィル(Wilbur Lincoln Scoville、1865年1月22日 - 1942年3月10日)は、アメリカ合衆国の薬剤師で、唐辛子の辛さを測るスコヴィル値においてその名を刻んでいます。
スコヴィルは1865年1月22日にアメリカ合衆国コネティカット州ブリッジポートで生まれ、薬剤師としての経歴で知られています。
彼の遺産の中でも特に著名なのは、唐辛子の辛さを測るスコヴィル値という尺度です。
この尺度は、辛さやピリ辛さを数値で表現し、唐辛子やその他の辛い食品の辛さを比較するのに使われます。
スコヴィルは1942年3月10日にフロリダ州ゲインズビルで77歳で亡くなりましたが、彼の貢献によって彼の名前は今なお辛さの尺度に欠かせないものとなっています。
唐辛子の辛さに興味を抱く料理愛好者や食品開発者にとって、彼のスコヴィル値は欠かせない情報となっています。
ウィルバー・スコヴィルの生涯
1865年1月22日、生まれ故郷のコネティカット州ブリッジポートで誕生しました。
後に、1891年9月1日にはマサチューセッツ州ウォラストンでコラ・B・アパム(Cora B. Upham)と結婚。
コラとの間には、エイミー・オーガスタ(Amy Augusta、1892年8月21日生)とルース・アパム(Ruth Upham、1897年10月21日生)の2人の娘が誕生しました。
スコヴィルが執筆した「The Art of Compounding」(調合の技術)は、初版が1895年に出版され、その後8版以上が刊行されました。
この書籍は薬理学の参考書として1960年代まで広く使用され、特に香辛料の辛さを和らげるために牛乳を使用するアイデアが初めて言及されたのもこの本でした。
彼はまた、「Extracts and Perfumes」(エキスと香水)にも多くの処方を掲載しており、一時期はマサチューセッツ薬科健康科学大学の教授も務めていました。
1912年には、製薬会社パーク・デービスで働いていた際に「スコヴィル味覚テスト」として知られる唐辛子の辛さを測定する方法を考案。
このテストは人間のテスターを使用し、現在ではスコヴィル値として標準的に使用されています。
表彰された栄誉
1922年、アメリカ薬剤師会によるエバート賞を受賞し、医薬品の原薬調査における優れた報告書の著者として認められました。
続いて1929年には、同会の最高の栄誉であるレミントン名誉メダルを授与され、その卓越した業績が称えられました。
同年、コロンビア大学からも名誉博士号が授与され、薬学の分野での傑出した貢献が広く認められました。
これらの栄誉は、彼の薬剤師としての絶え間ない努力と卓越した業績への敬意の表れであり、その一生にわたる成功の記章となりました。
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Googleのロゴにも設定された
Googleは2016年1月22日、米国の薬剤師であるウィルバー・スコヴィルの生誕151周年を祝して、特別なデザインに変更しました。
この特別なGoogleロゴは、辛さを計測するミニゲームになっています。
このミニゲームでは、ウィルバー・スコヴィルがアイスクリームのゲージを合わせて唐辛子を撃退する様子が描かれています。
最初にスコヴィルがハラペーニョやカイエンペッパーを食べ、その辛さに驚きながらアイスクリームを頬張るところからゲームがスタートします。
クリアすると、各トウガラシの辛さの測定値が表示される仕組みとなっています。
このミニゲームでは5種類のトウガラシが登場し、ピーマン(スコヴィル値:0)、ハラペーニョ、カイエンペッパー、ブートジョロキア(スコヴィル値:100万以上)、トリニダードモルガスコーピン(スコヴィル値:200万以上)が登場します。
トウガラシの辛さは段階的に増していき、ゲームの難易度も上昇します。
攻略の鍵は、ゲージが戻ってくるタイミングを見極め、難易度が上がるにつれてスピードも増すため注意が必要です。
この面白くて教育的なゲームは、スコヴィルの業績を記念し、唐辛子の辛さに興味を持つ人々に喜ばれました。
【まとめ】
- 唐辛子の辛さ測定者
- スコヴィル値の生みの親
- 薬剤師であり、Googleロゴにも登場
ウィルバー・スコヴィルは辛さの専門家で、唐辛子の辛さを測るスコヴィル値の提唱者。
その卓越した業績とGoogleロゴへの登場は、彼の名前が今もなお辛さの尺度に欠かせない存在であることを示しています。
興味深い一生と功績は、料理愛好者や食品開発者にとっての貴重な情報源となっています。
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